TOP作品世界をいちだんと広げる『金子國義スタイルブック』

作品世界をいちだんと広げる『金子國義スタイルブック』

f2016-09-05 本

亡くなった後に、いちだんと高まる存在感──昨年3月、鬼籍に入った画家・金子國義に対する注目度は、いまだにとどまるところを知らない。

金子は、1936年生まれの画家。油彩画も描けば、書籍や雑誌などにも多くの絵を発表。女性をスタイリッシュに描く一方、なんともチャーミングな動物もさらりと描いた。
その活躍の場は幅広く、加藤和彦やコシミハルらの音楽ジャケットを手がければ、ポスターや着物のデザイン、写真なども展開した。さらには中村勘三郎(十八代目)が襲名披露興行を行った際には、舞台美術も担当。実は金子は、もともと歌舞伎の舞台美術家に師事していたのだ。

今年に入り、一周忌を迎える頃、画集「イルミナシオン」(バジリコ刊)が発売され、回顧展「-終わりと始まり-金子國義展」が渋谷のBunkamura Galleryで開催。多くの人が金子を求めた。
そして、その動向は夏になっても衰えなかった。7月には恵比寿のLIBRAIRIE6で「金子國義 生誕80年記念」展が実施。さらに8月、『金子國義スタイルブック』が刊行された。

この『金子國義スタイルブック』は、氏の代表作や未発表作を収録。全45点という作品数が、ちょうどいい。分厚い作品集もいいけれど、金子の魅力のひとつは軽やかさにある。だから、大げさな感じがまるでしない、ほどよさが絶妙だ。
同書には、作品とともに氏が残した言葉も掲載。弟子や氏を慕ったアーティストらに放った言葉やメッセージだ。
たとえば、「片付けることは感性を磨くこと」。
「絵は技法ではなくて、自分で見つけるもの。自分の中から生まれてくるもの」。

こうした言葉と併せて絵を見ることで、金子の作品世界をいちだんと押し広げる役割を果たしている。

(文/新川貴詩)

金子修、岡部光編著『金子國義スタイルブック』はアートダイバーより発売中。1600円(税抜)

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